|
難民の青年が空を飛ぶ、いや浮遊する。
言ってみればそれだけの映画。
人間の前から姿を消してしまって久しい奇蹟(神)を
そろそろもう一度探しに行くラストで映画は締めくくられている。
自分の保身しか考えていなかった傲慢な医師は
空飛ぶ難民の青年に出会ったことで自分の間違いに気付いていく。
医師は青年に対して
時に自分の息子のように、時に庇護すべきか弱き天使のように接し
悲劇ともハッピーエンドともつかない感動的な終わりを迎える。
ある時
青年のくつひもが解けているのに医師が気づき、
その前に跪き縛ってやる。
すると青年は何を思ったか医師の髪にそっと手をやる。
その行為に対して医師はハッとする。
まるで神に許しを請い、それが認めらたかのような。
ちょっと良いシーンだった。
ぞくぞくした。
まあこれはあれだね、
メジャーでもない映画の佳作に対して
自分だけが、誰も認めない価値を発見して自己陶酔してる図です。
「自分だけが!」
わはははは。
おまけに静かに頬を伝う涙がありましたああああああああ。
「神の御手はあまりに遠い。」
|
|