|
『去年の冬、きみと別れ』
この情緒的な題名から遥かに乖離した内容の映画でした。
「炎の中、人はどんなに美しいか?!」
そう狂気のカメラマンはシャッターを切る。
新進の若いジャーナリストは、このカメラマンの真実を
あばこうと取材を申し込む。
そのうちにジャーナリストの彼女がカメラマンの手に落ちる。
「彼女は自分の意思でここに居るんだよ。」
カメラマンに軟禁されている????
さあ大変!
彼女がカメラマンに焼かれてしまう……!
悪くない。
よく練ってあるお話しです。
でもどんなにうまく予想を裏切る物語でも
この映画は観ていくうちに心が萎えてくる。
人を殺す話だから?
違うな。
死ぬほど殺伐とする映画もいくつも観てきたはずだ。
じゃあ、そのカテゴリーの映画として認めればいいじゃない?
ところが、なんかしっくりしない。
終わってみれば、
ああこういうお話だったのねとがっかりしてる。
自分がこの映画に期待していたものは
もっと漫画的な猥雑なものだったと気が付く。
この主人公はあまりにまじめで一途な恋をしていた。
そのことに対して自分の下卑た期待が肩透かしを食わされた。
|
|